正常圧水頭症は血液とは異なる、脳内に流れている髄液が、加齢や何らかの原因によって脳室に溜まり脳が肥大する疾患で、髄膜炎や頭部外傷、くも膜下出血など原因が明らかなものは続発性正常圧水頭症(続発性NPH)、原因が不明なものは特発性正常圧水頭症(iNPH)と区別されています。
iNPHの場合、はっきりとした原因は不明ですが加齢による高血圧や脳卒中の経験のある人が発症しやすい事がわかっています。
NPHの症状は三大徴候と言われる代表的な症状があり、精神活動が低下して自発性や意欲が低下しもの忘れが激しくなる痴呆、足を上げる事が困難になって小刻み歩行で不安定になり途中で止まる事が困難になる歩行障害、また極度の頻尿の為トイレまで我慢できない尿失禁の3つの特徴的な症状が現れます。
この中でも初期症状として最も多くみられるのは、歩行障害で痛みは特にありませんが、小刻みで開き気味に足を動かし、足が上がりにくいのですり足になるので転倒しやすくなります。
NPHはアルツハイマーやパーキンソン病と異なり、手術によって回復する事が可能な認知症です。
治療は髄液シャント手術が行われ、これは脳室に溜まった髄液を排除して脳室のサイズをもと戻し、髄液が再度溜まらないようにカテーテルを脳室に埋め込んで他に排除するようにする手術です。
困難な手術のように感じますが、脳外科手術の中では比較的簡単な手術であり成功率も高く、1時間程度で手術は終了しますが、完全に回復するには遅くとも発症から半年以内に手術を受ける必要があり、それ以降ではあまり改善は認められなくなります。
しかしNPHの三大徴候は正常な老化現象にも当てはまり、本人や周囲にも見過ごされやすく手遅れになりがちです。
判断基準としては歩行が困難になり、パーキンソン病では小刻みな歩行になりますが、NPHでは小刻みに動く事以外に開脚気味ですり足であるという特徴があり、疑わしい場合は早期治療が必須なのですぐに病院での診察を受ける事が重要です。
早期に治療が行われば歩行障害は9割以上回復されると言われています。
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